「英語ができるようになりたい」という思いは、多くの日本人・韓国人にみられます。
宇多田ヒカルを始め、バイリンガルな歌手はカッコイイと映り、
帰国子女なニュースキャスターは、純日本育ちなアナウンサーより、華やかに映るようです。
英語ができると、イメージが華やかになり、付加価値が上がるようです。
バイリンガルを専門にしてきたということもあり、次のような質問を、よく受けます。
①「どうしたら英語ができるようになりますか?」
②「スピードラーニングや、1000時間ヒアリングマラソンのような商品は、本当に効果があるのか?」
簡単に答えます。
①に関して。
インプットが多ければ多いほど、アウトプットする機会が多いほど、力はついてきます。時間はかかります。
②に関して。
効果はありません。
②のほうは、石川遼君のように、「スピードラーニングをやったら、英語力がつきました」という人もいるかもしれません。
しかし、石川遼君の場合、彼が広告塔に使われているので、いいサンプルではないなぁ。
ちなみに、「聴く」ことは、あくまでもステップであって、赤ちゃんだって、聴いてるだけで喋れるようになったわけではないんですよ。
共同注意(joint attention)とか、色々とinteractionがあって、子供は覚えていくので、
親の言葉を一方向的に聴いてるだけではないんですね。
英語習得に関する研究は多いけれど、「こうすれば英語ができる!!」という虎の巻はまだありません。
科学的に証明しようとするには、変数が多いから。
私が憂うのは、
「英語ができるようになりたい!!」という思いは、悲しいかな、時に、「英語をマスターできるようになりますよ!!」という勧誘に使われることがあります。
ある日、吉祥寺駅の本屋に入ろうとしたら、英会話学校の勧誘行為をしていた女の人に、呼び止められました。
ちょうど、渡米する直前でした。英語習得関係の研究に興味をもっていたので、ふと、立ち止まったんですね。
その勧誘女性は、私に、こういいました。
「英語できるようになりたいですよね?」
私はこういいました。「英語できますよ」
彼女は、手持ちのCD教材を買わせたいわけです。「英語できる」とかわしたカモ(私)にも、食いつきます。
「でも、不安ありますよね?これから留学されるんですか?○○は、ラド博士の~~~(中略)。英語ができないと不安じゃないですか?」
キターーー”不安”煽り。
ここは、今後、カモになる人を減らすために、私は主張すべきだと思い、勇気を出していいました。
「正式に留学もしてるんで。それより、ラドの応用言語学をベースにしてるんですか、これ?何を基にして教材開発してるんですか?私、研究してるんです。その、サンプルCDだけもらっていいですか?」
皆さん、カモになっちゃだめですよ。
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